GENUINEがbe動詞から始める理由

中学の英語の検定教科書は、最初のLessonでは英会話で自己紹介をするために I am/You areなど[人称代名詞+be動詞]から始め、早速、次のLessonでは一般動詞に入るという流れが最近は多いです。そのため、そのようにカリキュラムを組む塾は多く、一般動詞から始める塾もあります。けれどもGENUINEでは、オーソドックスですが、This/That isから始めているので、このような傾向においては古典的と思われるかもしれません。

一般動詞の導入時期が以前よりも早いのは、自然な英会話を成立させるという意図からですが、中学1年生の多くが英語初心者(少なくとも英文法初心者)であることを考慮すると、急いで一般動詞に入るのはリスクが大きいです。

まずは、覚えなければならない単語数が多くなってしまうことです。be動詞と一般動詞のどちらから始めるにせよ、名詞を覚えなければならないので、動詞の語数はできる限り抑えた方がいいです。be動詞であれば3語(is/am/are)ですみますが、一般動詞は3語というわけにはいきません(中学1年で100語近く覚える必要があります)。英語学習開始時に名詞と一般動詞を同時に覚えなければならないのは、英語初心者にとっては負担が大きいです。覚える一般動詞の語数を絞れば、このリスクを避けることはできますが、制限すればするほど英会話の自然さが損なわれてしまうので、それでは本末転倒です。初めて学習するのだから単語を覚えるのに苦労するのは仕方ないですが、名詞と一般動詞を同時に覚えることを避けることで負担を減らすべきです。

次に、複数の重要なポイントが過密になってしまうことです。中学1年生は英文法初心者なので、全てを一から説明しなければなりません。冠詞は勿論、名詞や形容詞でさえも説明する必要があります。これらだけでもきちんと理解するのは簡単ではないのに、そこに動詞が加われば、混乱が生じる可能性を高めるだけです。

動詞はまず、be動詞と一般動詞を区別しなければなりません。英語が苦手になる生徒は、ここからつまずいてしまいます。そして、目的語をとる他動詞と、前置詞を伴うことが多い自動詞を区別する必要があります。日本語の品詞にはない前置詞も同時に学ぶことになりますが、中学1年生で学習する基本的な一般動詞にgoやlookなどが含まれているので、自動詞を避けることはできません。[自動詞+前置詞]を慣用表現として扱うこともできますが、それでは英語学習の初期から「なんとなく」理解してしまうことを容認することになるので、そのように扱うことは避けるべきです。英語初心者だからこそ、一つ一つを「きちんと」理解すべきです。また、一般動詞の英文と日本語訳との間で生じる語順の違いも避けることはできません。このような重要なポイントが複数あるので、一般動詞の導入時は特に、それにだけ集中すべきです。

英文法初心者にとっては品詞を区別するだけでも大変なのに、異なる品詞のポイントを同時に学習することで混乱してしまう可能性は高いです。最初でつまずくと、苦手意識だけでなく嫌悪感さえも抱かせてしまうので、そうならないようにするために、中学の英語の第一印象となるこの時期は慎重さが必要です。

勿論、be動詞から始めることにもリスクはあります。例えば、be動詞が主語を表す助詞の「は」だと思い込むと、一般動詞との区別どころではなく、主語の次に常にbe動詞を書いてしまいます。be動詞と一般動詞を同時に使ってしまうミスをこの時期によく目にしますが、これが原因です。「be動詞ぐらいで誤解することはない」と思われるかもしれませんが、上記のような誤解は特に多いので、be動詞であっても慎重に導入する必要があります。けれども、このような誤解さえ避けることができれば、be動詞の方が単純なので、英文法の導入には適しています。GENUINEでは、何度も検討し、シミュレーションを重ねた結果、オーソドックスではありますが、be動詞から始めています。実際、GENUINEに通う中学1年生は毎年、ここでつまずくことなく順調に学んでいるので、be動詞から始めることが適切であることを示してくれています。

GENUINEでは、英文法を簡潔に理解できるようにカリキュラムを組んでいます。一般動詞に入るLesson8までは、be動詞を軸に据えることによって、名詞、冠詞、形容詞、そして人称代名詞や複数形など、毎回の授業のポイントを絞ることができるので、着実に知識を積み重ねています。また、品詞の区別を徹底し、曖昧さを排除することで、英文法を正確に理解しています。そして、宿題としてドリル形式のプリントに毎回取り組んでいるので、各ポイントは確実に定着しています。英語/英文に慣れるのは時間の問題です。