■授業の「こだわり」を実現するためのオリジナル教材のこだわり

GENUINEでは、看板商品である授業同様、オリジナル教材にもこだわりがあります。

授業の「こだわり」を遮ってしまうのでテキストはありません(「GENUINEにテキストがない理由」をご参照ください)が、「授業だからこそできること」をするために、授業に最も適したオリジナル教材を用いています。オリジナル教材であれば、授業で学習するポイントだけが詰まった内容を揃え、細部まで徹底的に授業に合わせることができます。けれども、塾用教材や市販教材を用いると、順番や回数が授業に合わないだけでなく、内容の過不足も生じるので、授業を教材に合わせざるをえなくなります。それでは「教材のための授業」です。塾用教材や市販教材に良質なものはありますが、それらを授業で用いるかどうかは別です。授業の学習効果を最大限発揮するには、「授業のための教材」として作成されたオリジナル教材が最適なので、GENUINEの授業用教材は100%オリジナルです。

このように、GENUINEの授業用教材は100%オリジナルですが、宿題には、塾用教材や市販教材をオリジナル教材と併用しています。オリジナル教材が主教材、塾用教材や市販教材が副教材と役割分担をしているので、質と量を補完し合っています。また、生徒が通っている学校の副教材が塾用教材や市販教材の場合、質と量が適切であれば、効率を上げるために宿題として活用することもあります。授業用教材の作成と改訂/更新を含む授業準備が最優先で、何が何でも宿題用教材も全てオリジナル教材にしようとは考えてないからです。表紙を替えただけの塾用教材を発注すれば、オリジナル教材のように見せることはできますが、表面的に取り繕っても全く意味がないので、そうするつもりはありません。大手の塾に在籍していた時、必要だと感じた教材や、あればいいなと思った教材がなければ、自分で作成してきました。ここが出発点なので、良質な教材があれば活用し、なければ作成するだけです。

オリジナル教材を個人で作成していると、主観的な要素が自然と多くなるので、客観性とのバランスを強く意識しています。だから、オリジナル教材(特に受験学年用)の客観性を損なわないよう、入試問題は基本的に出題時のまま採用しています。また、塾用教材や市販教材、つまり第三者が作成した教材を併用することに消極的ではありません。けれども、特に市販教材は、問題を絞っているように見えても実際は避けているように思える問題集が少なくはなく、テクニックや解法を売りにしている参考書は、それらを用いて解くことができる都合がよい問題ばかり採用していることが多いです。GENUINEでは、重要なポイントを含む、入試での出題頻度が高い問題を、問題形式別に分類し、ポイントごとに整理して、採用候補として蓄積しています。そして、その中から「考えなくても解ける問題」ではなく「きちんと考えなければ解けない問題」を採用しているだけなので、主観的な判断はできる限り控えています。

難易度が非常に高い問題であれ、「悪問」と呼ばれる問題であれ、入試本番で英語に「捨て問」はないので、全問解けるように臨まなければなりません。「悪問」かどうかは受験生が試験中に判断できることではありませんが、それ以前に、問題を受験生が選ぶことはできません。選ぶことができないのは、教える側も同じはずです。だから、GENUINEでは、出題頻度が高い問題の中から「きちんと考えなければ解けない問題」を選んでいますが、教える側の都合で恣意的に問題を選ぶことはありません。また、GENUINEのオリジナル教材で採用している入試問題の難易度がどんなに高かったとしても、それらにはほとんど手を加えていないので、難易度を操作したわけではありません。もし「難しい」と思ったなら、その問題の難易度も、そう思った生徒自身とのレベルの差も、どちらも現実です。問題を選べないのだから、その差を埋めるためには、模試や過去問だけでなく、教材を通じて普段から現実と向き合い、自分自身を変えなければなりません。

GENUINEでは、常に最良を目指しているので変化をいといませんが、変えることが目的ではないので、入試問題で構成しているオリジナル教材(特に受験学年用)は、最近出題された問題に機械的に更新しているわけではありません。これまで不採用だった問題も含む全ての採用候補を、改めて同じ土俵の上で比較検討し、その中から最適な問題を選んでいます。前述の通り、選んだ入試問題にはほとんど手を加えないので、選ぶ「だけ」だと思われるかもしれませんが、採用候補の問題は年々増え、更新する度にその中から選び直しているので、選ぶ「だけ」であってもかなりの時間を費やしています。また、様々な角度から比較検討し、適している理由が複数ある良問の中から、より良いものを選んでいるので、甲乙つけがたいことが多く、かなり頭を悩ませます。だから、選ぶ「だけ」とはいえ、決して簡単なことではありません。最適な問題が具体的に思い浮かんでいる場合は、それを実際に作問したり、そうなるよう既存の問題に手を加える方がずっと簡単です。もし、それと一致する問題が採用候補の中になければ、膨大な量の過去問の中から見つかるまで探しています。例文もそうですが、特に問題は検索して見つかるものではないので、良問であれば全て採用候補として蓄積しています。その結果、1,000問収録している問題集が10冊以上作れるぐらいの数の良問を蓄積していますが、それでも、その中になければ地道に探すしかありません。このような過程を経て選んでいる(こちらをご参照ください)ので、本当に厳選された良問ばかりです。

上記の通り、問題を選ぶ際に主観的な判断はできる限り控え、選んだ問題に手を加えることはほとんどありませんが、問題の順番と構成にはそれぞれ明確な意図があり、「流れ」を形成しています。授業と同様に、オリジナル教材(特に授業用)でも「流れ」を大切にすることで、生徒が円滑に理解できるようにしています。そして、前後の問題の短期的な「流れ」だけでなく、教材全体の長期的な「流れ」もつかむことができれば、より深く理解することができます。また、長期的だからこそ、布石を打ったり、伏線を張ったりしています。このように、至る所に多くの意図を散りばめていますが、授業で教える際と同様に、オリジナル教材でも簡潔さを心がけています。けれども、簡潔だからといって簡単かどうかは別です。難易度が高い入試問題を解けるようにする必要がある限り、問題に手を加えて簡単にすべきではないので、問題の難易度は出題時のままです。どんなに難しくても、どんなに複雑でも、できる限り簡潔に解けるようにするだけです。

GENUINEでは、上記の通り、「解く」ことが目的の教材(特に受験学年用)では、入試問題をできる限りそのまま活用していますが、「理解する」ことが目的の教材では、例文と問題を一からオリジナルで作っています。そして、それらを日々見直していますが、生徒に合わせて変えることが多いです。例文と問題は生徒を導き引き上げる側なので、生徒の成長を見越して授業前に変えることがほとんどですが、授業後にも、時には、生徒の反応を見ながら授業中に変えることもあります。だから、生徒と同様に、例文と問題も成長しています。また、例文と問題を変えるだけでなく、生徒に合わせて教材自体を新たに作成することもあります。目の前の1年生の2年後をシミュレーションして作成した3年生用の教材だけでなく、対象となる生徒がまだいなくても、いつか必要になると考えて作成した教材さえあります。「授業のための教材」である前に「生徒のための教材」なので、生徒を常に意識して作成しています。

GENUINEのオリジナル教材の例文と問題は、どんなレベルの生徒にも、そして、様々な成長曲線にも対応できるように調整しています。こう書くと、万能な教材に聞こえるので、理想的だが現実的ではないと思われるかもしれません。けれどもGENUINEでは、英語が苦手な生徒から、高校受験では開成や国立大学附属、大学受験では東大や早慶を目指す生徒まで、実際に用いている教材は基本的に共通です。開成や東大を目指す生徒も、始めから開成や東大の過去問を解いているわけではないので、出発点は誰もが同じです。基礎から着実に積み上げた結果、得意になり、最終的にそのレベルに到達しただけです。だから、苦手な生徒であっても、苦手を克服し得意になるためには、得意な生徒と同じ道をたどらなければなりません。同じ教材に取り組むのを諦めるのは、得意になるのを諦めるのと同じです。勿論、同じペースで同じ時期に取り組むのは難しいです。また、志望校によって、難易度が高い内容にどこまで取り組むべきか、つまり、ゴールまでの距離が近いか遠いかの違いはあります。だから、レベル別に分かれている教材もありますが、それでも通る道は同じです。英語が得意だからといって複雑に理解しているわけではないので、苦手な生徒も簡潔に理解すればいいのです。英語が得意な生徒と苦手な生徒の分岐点はたいてい、理解力ではなく努力の差なので、得意になりたいなら、理解できるまで一生懸命取り組むべきです。

GENUINEのオリジナル教材は、授業用、宿題用、テスト用など種類が様々で、また、文法用か読解用か、受験学年用か非受験学年用かなど、目的や対象によっても異なるので、一概に言えることは多くありませんが、オリジナル教材に共通する最大のメリットの1つは「連動性」です。オリジナル教材は、授業との相乗効果を高めるためだけでなく、教材全体の効率と効果を上げるために、それぞれが連動しています。作成する際は勿論、作成した後も「連動性」を心がけているので、何かを改訂すれば、それに合わせて他のオリジナル教材も改訂する必要があります。例えば、中学生用のオリジナル教材の多くは、英単語テスト用の英単語に基づいて作成しているので、その英単語を1語でも入れ替えると、英単語テストだけでなく、オリジナル教材全体を改訂しなければなりません。このように、小さな改訂がきっかけで大規模な改訂になることは少なくありません。1人で全体を改訂するのはかなり大変ですが、1人で全てのオリジナル教材の作成も改訂もしているからこそ、全体を正確に把握しているので、「連動性」が最大限機能するのを可能にしています。また、オリジナル教材の作成と改訂に一手間を惜しむことはなく、特にこの「連動性」は一手間を積み重ね続けた結果なので、かなり綿密かつ緊密に連動しています。

このように、GENUINEのオリジナル教材は、作成したら終わりというわけではありません。勿論、オリジナル教材を新たに作成するのは大変ですが、改訂し続けることはさらに大変です。改訂の規模によっては、一から作成し直した方が早いこともあります。これほどの規模だと、改訂前の質が低いのではないかと思われるかもしれませんが、作業効率が良い方を選んだ結果なので、改訂の規模が質と比例しているわけではありません。これは例えば、紙媒体にしか残っていない文書をデータ化する際に、場合によっては、スキャナーで取り込みOCRソフトで変換したデータをチェックし訂正するよりも、一から打ち直した方が正確で早いのと同じです。

オリジナル教材は、市販教材などよりも誤植が多いと一般的に思われているかもしれません。けれども、市販教材は、特に初版には必ずと言っていいほど誤植があり、初版のまま絶版になることが多いです。また、版を重ねる際に誤植を訂正する機会があるはずですが、見落とされているのか、訂正されないまま販売されているものが少なくありません。GENUINEのオリジナル教材は、作成する際に推敲を重ね、作成後も誤植を見つけ次第訂正しているので、誤植はほとんど残っていません。

GENUINEのオリジナル教材の改訂の頻度は高いですが、塾用教材や市販教材と比べるまでもありません。塾用教材の改訂はたいてい、学習指導要領の改訂時に新しく採択される検定教科書に合わせるので、約10年に1回です。市販教材は、前述の通り、改訂されることがそもそも少ないです。完成度が高く、本質的かつ普遍的な塾用教材/市販教材であれば、改訂する必要はないかもしれませんが、そのような教材は数少ないです。このように、塾用教材や市販教材は改訂の頻度が低いので、入試問題の最新の傾向への対応は期待できません。対応できているとすれば、出版されたばかりの教材だけです。

GENUINEのオリジナル教材は、作成する前にシミュレーションを重ねているので、ほぼ想定通りに仕上がっていますが、それでも、生徒の実際の反応や効果に合わせて調整する必要があります。また、どんな生徒にも対応できる普遍的な教材に近づけるために、バランスの調整もしなければなりません。とがっている教材である必要はありませんが、無難に落ち着く必要もありません。そして、改訂の余地は確実に減っていますが、改訂して初めて気づくこともあるので、決してなくなりはしません。ある一定の質に到達すると、そこからさらに質を上げるのが難しいのは、一般的にも言えますが、専門性が高い職業に特に共通することだと思います。けれども、オリジナル教材の質が上がれば、取り組む生徒の学習効果も比例して上がるので、上がる可能性が少しでもあれば改訂していきます。

オリジナル教材を作成すると、改訂/更新などのアフターケアが必要なので、作成すればするほど、作成後に要する時間も増えます。作成も改訂/更新もかなり時間がかかるので、授業準備の大部分を費やしていますが、授業以外のほとんどの時間を費やしているとも言えます。だから、もしオリジナル教材のデータを失っても、同じ時間を再び費やすことは物理的に不可能な、本当に長い時間を費やしてきました。また、もし失ったら、オリジナルなので教材のデータをお金で買うことはできません(だから、地震が起きた際にまず確保するのは、お金ではなく最新のデータが入ったノートパソコンです)。まさにプライスレスです。データとして非常に大切ですが、長い時間をかけて日々育てているので、愛着もあります。だから、こだわりも多いですが、思い入れも強いです。