(入塾をご検討中の)中学2年生の保護者の皆様へ
学習指導要領の改訂により今年度(2021年度/令和3年度)から中学校で使用される検定教科書が新しくなりました。中学2年生は、目黒区の場合、『NEW CROWN』(三省堂)から『NEW HORIZON』(東京書籍)に変更したので、連携面で多かれ少なかれ問題が生じるはずです。世田谷区の場合、『NEW HORIZON』(東京書籍)を引き続き使用するので、このような問題はありません。けれども、改訂された『中学校学習指導要領(平成29年告示)』によって学習内容にかなり大きな変更が生じるので、「学年間ギャップ」を引き起こすのは確実です。また、教科書によって、学習順や進度が異なるので、ギャップの大きさも異なります。そして、昨年度は、緊急事態宣言発令に伴う臨時休校によって授業(教科書)の進捗が滞ったので、既にギャップが広がりましたが、対面授業からオンライン授業に切り替えたことで、その間の学習内容の理解度と定着度が低下しました。このように2年間続けてコロナ禍で学習しなければならない中学2年生が英語を苦手にしてしまう可能性は、例年よりもずっと高いです。
上記の問題点は、中学校の英語の新しい教科書が採択された、ちょうど1年前に予想していました(こちらをご参照ください)。けれども、1年が経ち、予想との差異も生じています。
まずは、昨年度の緊急事態宣言発令に伴う臨時休校と、対面授業からオンライン授業への切替による影響が大きすぎたことにより、今年度引き起こされる可能性が高かった、学習指導要領の改訂による「学年間ギャップ」がまだ目立っていないことです。前者を第1波とするなら、後者の第2波はこれからかもしれません。
そして、昨年度の緊急事態宣言発令に伴う臨時休校と、対面授業からオンライン授業への切替による影響が、予想以上に深刻であることです。
昨年度から既に、GENUINEの入塾テストの最低点/最低偏差値が更新され続けていましたが、今年度に入っても更新は止まっていません。中学2年生は特に深刻で、前期(1学期)に同じ入塾テストを受けてくれた生徒は全員(3名)、偏差値20台でした。偏差値20台という数字だけでもその深刻さは伝わると思いますが、その入塾テストの最低偏差値はこれまで40.2だったので、例年と比較してもかなり深刻なのは確かです。
その入塾テストの「トムはそのバッグを運ぶことができなかった。」という和文英訳問題で、3名が実際に書いた解答は、以下の通りです。
Tom can’t the caley a thet bag.
Tom bon’t go to the this bax.
Tom can not(以下空白)
ちなみに、これまでの最低偏差値(40.2)だった生徒が書いた解答は、Tom can not carried the bag. でした。
生徒の英語の実力は、和文英訳問題の解答を見れば、数値だけでなく、何がわかっていて何をわかっていないのかがはっきりとわかります。そして、昨年度の緊急事態宣言発令に伴う臨時休校と、対面授業からオンライン授業へ切り替えた時期と重なる、中学1年の1学期の学習内容をきちんと理解できていないのが明らかです。
保護者の方の多くは、中学1年で学習する内容は基本中の基本なので、そこでつまずくことはないと思われているかもしれませんが、実際は、中学1年で英語が苦手になってしまう生徒は少なくありません。もし生徒自身が苦手だと自覚したのが中学2年以降だったとしても、決定的だったのがそのときだったというだけです。苦手になったきっかけはもっと早い時期だったはずなので、中学1年にさかのぼったとしても、決して驚くようなことではありません。
学校の定期試験は、試験範囲が限られている上に、試験内容が予告されているようなものなので、実力を正確に判断することはできません。塾や予備校のテストや模試は、実力が結果に表れていますが、問題の多くは選択形式なので、その結果を鵜呑みにしてしまうと、苦手だと自覚するのが遅くなるだけです。苦手になっていないかどうかを見極めるには、上記のように、和文英訳問題などの記述問題の解答を見るのが確実です。
英語が苦手になったら、学年が上がる際や高校に入学する際にリセットはされないのは当たり前ですが、それどころか、苦手な学習内容が積み重なっていく一方です。生徒自身は、苦手になった時点の状態で止まってしまっているので、それ以後は「何がわからないのかさえもわからない」かもしれません。そうすると、難易度が急に上がる中学2年の学習内容や、そのまま高校入試で出題されても不思議ではない中学3年の学習内容を理解できるはずがないのですが、根本的な問題なので、例えば、中学2年の学習内容に繰り返し取り組んでも、何にも解決しません。苦手だと自覚した時点ではなく、あくまでも、苦手になったきっかけにまでさかのぼることで、問題点を1つ1つ着実に解消しなければなりません。
入塾テストで偏差値20台だった中学2年生(3名)のうち、1名は春期講習から、もう1名は6月から個別指導を受講しているので、中学1年の最初にさかのぼって学習し直しています。中学2年生とはいえ、中学1年生と同じように間違えるので、やはり、中学1年の1学期から既に苦手になり始めていたのは間違いありませんでした。あと1名も、この9月から個別指導を受講するので、同様に立て直すつもりです。
GENUINEでは、中学2年生で英語が苦手な場合、例年は冬頃にお問い合わせが増えますが、今年度は(今のところ)春頃が最も多かったです。上記の通り、昨年度の緊急事態宣言発令に伴う臨時休校と、対面授業からオンライン授業への切替による影響が深刻なのは中学2年生なので、早めに対応することを強くお勧めします。
中学2年のクラス授業の詳細は、こちらでご確認ください。